最近のタクシー営業のパターンが変わりました。以前は一般道を走りながらお客様を探してお乗せする「流し営業」スタイル、人が集まるエリア(駅、病院、集会場)などで、お客様を待つ「つけ待ち」営業が主流でした。
他には各タクシー営業会社が電話やネットで予約を受ける「配車営業」がほとんどでした。
しかし最近はこの営業スタイルからスマートホンからタクシーを呼ぶ「配車アプリ」が営業構成を上げてきました。代表的なアプリを紹介しながら変化してきたお客様の変化について紹介していきます。
営業スタイルの変化
最近のタクシーの売り上げはこの配車アプリを利用「している」か、「していない」かで大きく変わってきている。ドライバーごとの数字を比較すると顕著に表れている。
ちなみにわが社の年末月のドライバー平均売上、お客様の利用回数は過去最高になり記録を更新するに至った。また、利用回数は前年に比較して毎月更新を続けている。
配車アプリとは
2023年2月時点の代表的な配車アプリは下記の4つを取り上げる。
- GO
- Uber
- S.RIDE
- DiDi
主な配車アプリとサービスエリア
アプリ名 | サービスエリア | ネット決済 |
GO | 北海道、青森、岩手、秋田、宮城、山形、福島、茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、新潟、富山、石川、福井、長野、静岡、岐阜、愛知、三重、滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良、和歌山、広島、山口、香川、徳島、愛媛、高知、福岡、佐賀、長崎、熊本、宮崎(拡大中) | 可能 |
Uber Taxi | 東京・大阪・名古屋・札幌・広島・京都・福岡・福山・郡山・仙台・青森・高知・中頓別・京丹後・淡路島(拡大中) | 可能 |
DiDi | 北海道、宮城、東京、埼玉、千葉、神奈川、静岡、愛知、大阪、兵庫、京都、広島、福岡、長崎、沖縄(拡大中) | 可能 |
S.RIDE | 東京23区、三鷹市、武蔵野市、埼玉、神奈川、千葉、茨城、愛知(名古屋市)、大阪、宮崎(拡大中) | 可能 |
上記が代表的な配車アプリでほかにタクシー会社が独自でサービスしている配車アプリもあります。それぞれご利用のタクシー会社を検索してみてください。
配車アプリのメリット
配車アプリのメリットはなんといっても手軽さが第1のセールスポイントです。各車両に搭載されているGPS機能が秀逸でお客様のスマートホンからダイレクトに営業中のタクシーにアクセスでき、この場に呼ぶことができるのです。
雨の日、風の日、なかなかタクシーが捕まらない時など非常に便利です。
雨の日も、風の日も建物の中からタクシーを呼ぶことが出来、当たり前のことですが近くにいるタクシーが見えるのでどのくらいで来るのかがスマートホンで見えるのです。近くに来たら該当場所へ行けばいいのです。
行先も予約時に指定できますので行先をドライバーに伝えなくても行きたい場所まで送り届けてくれます。意外と便利で面倒が省けます。
また支払いもあらかじめ登録をしておけば、降車時の面倒な支払い作業も省かれます。様々な決済に対応しており現段階での支払い方法のほぼすべてに対応できます。ドライバーからしても本当に助かります。釣銭の用意とか現金のやり取りも省けます。
他に様々なクーポン、サービスのキャンペーンが用意されていて、通常よりお得に利用することもできます。
タクシーの配車予約から、行先、支払いまですべての工程をドライバーとの対話が無くても対応できてしまいます。
配車アプリのデメリット
配車アプリのメリットは上記のように様々あるのですが、逆にデメリットもあります。
配車アプリはそれぞれのタクシー会社がそれぞれでアプリを選択しているため同じ配車アプリでも全く別なタクシー会社が配車されたりします。(アプリにより選択できる配車を指定会社に対応できるアプリもあります)
アプリの対応エリアが特定されています。エリアによっては対応しないアプリもあります。対応エリアか否かは事前に確認する必要があります。
配車アプリは迎車料金やサービス利用にあたり手数料など別途にかかる料金があります。それぞれのアプリでの確認が必要です。
メリット・デメリットのまとめ
メリット
- GPS機能で感覚的にタクシーを呼びやすい。
- タクシーを捕まえやすい。
- 行先を伝えたり決済の面倒が少ない。
- クーポンなどキャンペーンが豊富でお得に利用しやすい。
デメリット
- 配車料金、迎車料金などの付加料金がある場合がある。
- 複数の利用会社があるため何処の会社の車が配車されるかがわからない。
- アプリ対応エリアが限定されている。
デメリットの部分は、事前にサービス内容を確認しておけばメリットを享受でき、デメリットにはならないことが多いと思われます。本来のデメリットにはならないでしょう。
しかし弊害もある。
記事の冒頭にありますように配車アプリの利用はすごい勢いで増えています。メリットが大きいので利用する人はどんどん増えていきます。しかし利用する人々が増えていくと思わぬ弊害、利用者のエゴ、ミスが増えていくのも避けられません。
最近起こった弊害を紹介します。ドライバー目線からの弊害と思われる事案です。ドライバー仲間の実話です。
アプリ配車 事例1 (お客様 20代女性)
都内 銀座、繁華街エリア お客様より銀座の入り組んだ路地にお待ちと言うことでドライバーが向かいました。現地に到着、お客様らしき人を確認。しかしそこには路上駐車している車が数台あり、やむなくその駐車車両の前、お客様とは10mほどずれている位置に到着。お客様を待っていました。するとお客様よりメッセージが入りました。「迎え場所と違います」と、「えええ、」っと思いました。しかも窓を全部開けておけ、「従わなければタクセン(タクシーセンター)へクレームを入れます」と、、。
これにはドライバーも唖然としたそうです。ドライバーは大人の対応したそうです。と云うよりも、タクセンからの聴取や会社への説明などが面倒なので従ったそうですが、そのドライバーは一日気分が悪かったそうで、その日の営業はやめたそうです。なんとも勘違いの甚だしい、世間知らずのお嬢様なんでしょ。
アプリ配車 事例2 (お客様 30代女性)
日本橋 一般住宅 狭い路地への配車 到着し現着をアプリで連絡、連絡してから7分経過(アプリのサービスガイドでは5分経過したらキャンセル可能)。お客様が乗車、行先の指定はありませんでした。乗車時に「東京駅」と告げられ「そこ右」と云われ、「急いで」と一言。
ドライバーは「またか、遅れてくる客に限って必ず言うセリフ、「いそいで」と。
気を取り直し、一番近い道を選択、向かっている途中で「どこから行くの?」と云われいつものように「〇〇から〇〇通りに出て東京駅に向かいますが、よろしいですか?」と返事をしました。すると、「ここまで来たらしかたないでしょ」と云われる。
東京駅付近に到着、タクシーの降車場が混んでいたため入り口付近で、「混んでいるのでこちらでよろしいですか?」「急いで」と言われていたのでそのように声を掛けました。すると、「違うでしょ、まだ降車場についていないでしょ」だって。渋滞中の20m先の降車場。なんと偏屈なお姫様なんでしょ。たぶん子供もいる年代だと思いますが。
弊害
こんなお客様でも対応をしなければいけないドライバーは超大変。
アプリには利用規約があります。ネット環境により位置がずれたり、対応できない事案の要求が有ったりした場合はサービスの利用が出来なかったりします。その利用規約を理解できていないお客様もどんどん増えてくるという弊害があります。
多分この先も大きな勘違いをした自分勝手な人たちまでもがアプリを使って「俺は客だぞ」って顔で規約以外のサービスを要求してくるのでしょう。
ご利用のお客様へ、ご利用はお互いにメリットがあってのサービスなんです。決してタクシーを見下し、横暴を繰り返してもいいと云うものではありません。
弊害を抑え、お客様もサービス内容や利用規約をご理解の上でこのサービスを利用していきましょう。本当に便利で理に叶ったサービスだと思います。多いに利用しましょう。私の提案です。