タクシードライバーは毎日の売り上げが自身の収入になります。1日の売り上げ分から設定された歩合率の差額がその日の収入になる形態です。(1日の総売り×設定歩合率)=1日のドライバー収入。
所属会社により違いますが、設定歩合は会社のコスト+利益が含まれています。設定の歩合率(燃料代、保険代、会社維持費用、利益等が含まれています)を売り上げから差し引いて社員に振り分けられています。一般的に歩合率は45%~65%と設定されている会社が多いです。
歩合に含まれている費用は、各社項目が違っていることがあります。個人タクシーも基本は一緒です。
(歩合率が50%の場合) 例えば1日(月)100,000円の売り上げが上がればその金額に50%を掛けた50,000円が個人の収入と云うことです。差額の50,000円は会社の取り分となります。
売上 100,000円 × 歩合率50% =ドライバーの収入 50,000円
会社はその中から、車の経費(燃料代、保険代)、福利厚生費など会社としての維持費、利益等の費用を捻りだします。この絞り出し方が会社によって差があり、社員への還元率(歩合)や会社の利益が変化します。社員の収入に影響するのです。
昨年のタクシー代値上げはこのコストがどうしても負担できなくなったために行われた値上げと思います。(社員の収入にも影響します)
私の会社では概ね50%弱、多くの会社は45%から65%程度が引かれその差額が収入となります。ただし引かれる項目、天引きされるコストなどが歩合の中にインクルードされている会社もあり、歩合率だけでは測れません。(例、機器使用料、帰りの高速代、クレジット手数料など)
タクシードライバーの勤務(稼ぎの時間)
ドライバーは月に11~13勤務します。(隔日勤務の場合)私は朝8時過ぎに出庫(勤務開始)して翌日の朝5時前に帰庫(納金等の業務終了)します。1日およそ21時間勤務。もちろん休憩はします。
1日3時間の休憩は必ず取らなければいけない規則になっています。私の場合は(不真面目なので)少し長いです、実質15時間も稼働していないかもしれません。休憩が長すぎる分には何も言われません、疲れて事故を起こすよりそのほうがいいからですね。
これらの休憩時間、および月の勤務時間、1日の走行距離数などは細かに決められています。業界の規則でこれらを守らないと個人、および所属会社にペナルティが課されます。営業時間の短縮、車両数の制限、最悪は業務停止処分まであります。
このほかにも交通法規、特に駐停車、一旦停止、スピード違反などは特に厳しく、事故など起こした際にはさらに厳しいペナルティが課されます。
個人だけではなく、所属会社にも課されるので結構厳しいです。
他に日勤と云って毎日短時間(8~11時間)の勤務形態もあります。
そんな限られた時間の中でお客さんを探し回ったり、予約や、配車アプリからの呼び出しに都度反応し、都内を巡りまわっているのです。中には「つけ待ち」と云って人の集まりそうなところで待機しているドライバーもたくさんいます。
皆様がよく目にする場所に、駅構内、病院、ホテルなどがあると思います。他にイベント会場とか特に人が集まるところには必ずと言っていいほどタクシーがいます。
タクシードライバーは事前に人の集まるイベント会場とかの情報を収集してお客様を探しに行っているのです。(コンサート、発表会、式典とか)
自身の収入(売上)を作るために努力を重ねています。
タクシードライバー(個人データ)1日の平均
上記の流れで私も日々勤務しています。雨の日も風の日も、日々車を走らせて稼いでいます。昨年の私の個人的なデータです。月に11~13日の勤務です。
私個人データですので業界や会社平均ではありません。
私の月の平均勤務11~13日
1日の走行距離 250~330Km(Max485Km)
1日の平均回数 28~43回 (Max48回)
1日の平均売上額 62,000円~78,000円 (Max108,000円)
いずれも2022年実績からです。
絶好調 こんな日もある(ついてるね、のってるね)
日々淡々と営業(売上)を行っていますが、先日の絶好調な1日を紹介します。あくまでもまれにあった経験でこんな日が毎日起こるわけではありません。ただし「ついてるね。乗ってるね」という日は必ずあります、定期的というわけではありませんがタクシードライバーは必ず経験していると思います。私の「ついてるね、乗ってるね」な1日を紹介します。
朝、通常通りに点呼を受け8時40分ころ車庫を出ました。
9:00頃 アプリ配車 江東区から品川港南 売上 6,200円
9:30頃 流し 品川から東京駅 売上 2,800円
10:50頃 流し 日本橋から羽田空港 売上 7,600円
11:40頃 流し 品川から元麻布 売上 3,800円
なんとほぼ午前中で20,000円弱まで来ました、いつもは12,000円~15,000円が平均的な私です、この時点で「あれ、今日はいい感じだな」と思っていました。この後は500円~3,000円程度がしばらく続きます。
17:00頃 流し 北砂から西新宿 売上 6,000円
18:10頃 流し 四ツ谷から晴海 売上 3,200円
19:00頃 配車 銀座から朝霞 売上 14,000円
21:30頃 流し 八丁堀から成田、千葉 売上 36,000円 行先の順序が違ったら金額は変わっていた。
24:30頃 流し 豊洲から深沢 売上 11,000円
まるでウソみたいな1日でした。この日の売り上げは初めて10万円を超えました。本当は日報を写真で掲載したいのですが、フォーマットで会社がばれてしまうので掲載は控えます。
それでも実際にこんな日があったんです。本当にあるんです、経験豊かなタクシードライバーはこんな経験を何度となく経験していると思います。
私の同僚に、仙台まで行ったとか、長野までとか言った人がリアルに存在します。先日会社で長野の某所まで行った人が話題になっていました。その人は14年在籍して初めてだったそうですが、みんなから超うらやましがられていました。私もうらやましかったです。
絶不調な日 (最悪、〇んこみたいな日)
そんな「ついてるね、乗ってるね」とは真逆に絶不調な日もあるんです。私の場合はこっちの方とよく遭遇します。先日はそんな日になり、過去累計から売上最低記録を作ってしまいました。
お客様をお乗せした回数は26回、決して少なくはないのですが、普段よりは少ない回数です。走った距離もそこそこに達しています。280Kmくらいでした。
無線、アプリ配車も普段通り10回入っています。しかし1日の売り上げが4万を切ってしまいました。隔日勤務になってからは過去最低でした。
結構ショックです。疲れも倍になります。原因は単価なのです。1回の売上単価が1,500円台になっています。これには結構めげてしまいます。単価が低すぎるとやる気(モチベーション)が一気になえてしまいます。こんな日は諦めます。「こんな日もあるw」と自分を慰めます。
月にならすと、、、年にならすと こんなもの
このように絶好調な日と絶不調な日を繰り返し1か月をまとめると平均化されるのです。私の場合は絶好調な日をまた体験したいと思いながら励みます。
必ず不調な日はありますし、そんな日の楽しみ方を見つけるのも勉強だと思っています。
ひと月の流れの中で、また曜日の周期的なものもあります。絶好調、不調は不定期的に表れると思っています。その流れを掴むと楽に売り上げが上がったり、疲れが倍加したりするのだと思います。
年間にしても同じことが言えて、当然 年末とか、ボーナス商戦とかは盛り上がりの絶好調「ついてるね、乗ってるね」の回数が増えるだろうし、2,8月の冷えこむ時期は不調日も数あるかもしれません。
月間、年間をトータル的に均すと大体同じようなことになると思います。普通にタクシードライバーをやっているとみんな同じです。
慣れてくるとペースがつかめる
こんな日があるんだということを体験していると必然的にこなし方、(営業のやり方)が身についてくるのだと思います。長年タクシードライバーをやっている人はこれらのやり方が優れており、長く続いているのだと思います。
「ついてるね、乗ってるね」は必ずあります。そしてそれはほとんどのドライバーは経験しています。きっとタクシードライバーをやり続ける限り繰り返しやってきます。
ロボットが配車アプリでお客様をお乗せする時代が来ても、きっとあると思います。私がドライバーを続ける間はこの体験を良い方向に持っていきながら、「ついてるね、乗ってるね」を数多く体験できるように頑張っていきたいと思い、皆様に公表することにしました。