タクシーは乗った距離に応じて運賃が決まる仕組みです。
しかし、同じ乗降地で同じ経路をタクシーに乗っても、運賃が異なる場合があります。これはタクシーが距離だけではなく、赤信号や渋滞でタクシーが停車した時間も運賃に反映されているからです。
タクシー運賃の基礎知識
タクシー運賃は、各タクシー会社や個人が好き勝手に決めて良いものではありません。必ず国土交通大臣に申請し、認可を受けたうえで設定されています。
タクシー適正化・活性化法という法律により、指定された特定地域または準特定地域において、各事業者は国土交通大臣指定の「運賃の範囲(公定幅運賃)」から運賃を定めなければなりません。国土交通省が決めているわけではなくある規定範囲を決めます。この範囲の中で各社が料金を設定します。
たとえば東京23区・武蔵野市・三鷹市で営業するタクシー事業者は、初乗り料金を500円、255m走行ごとに100円、停止時間90秒ごとに100円が加算されると設定するのです。
運賃システム
タクシーの運賃システムは、
- 「距離制運賃(時間距離性運賃)」
- 「時間制運賃」
- 「定額運賃」の3種類です。
距離制運賃(時間距離制運賃)
距離制運賃(時間距離制運賃)は乗車地点から降車地点までのタクシーの走行距離に応じて、メーターによって運賃を算出するシステムです。都内の場合は255mで100円が加算されます。このシステムに時間メーターが加算されます。
時間距離制運賃は、赤信号や渋滞でタクシーが停車したり、時速10km以下で走ったりした場合や、お客様の都合でタクシーを待機させる場合に、その時間に応じて運賃を加算します。
この運賃システムでは、降車時に初乗り運賃+加算運賃の合計額が請求されます。停止時間は90秒ごとに100円加算されていきます。
時間制運賃
観光や冠婚葬祭などでタクシードライバーの拘束時間が長く、あらかじめお客様より申し込みをいただいた場合に適用される運賃システムです。この運賃システムでは、お客様の指定された場所にタクシーが到着した時点から、運送を終了するまでの時間で計算された運賃が請求されます。
定額運賃
以下に挙げるような、事前に定めた運送区間を走行する場合に運賃が定額となります。
- 空港や鉄道駅等の行き帰りなど一定のゾーン間(都内は首都高利用が条件となっています)
- 大規模イベント開催期間中の鉄道駅等とイベント会場間
- 観光や送迎目的で事前に予約があった場合のタクシー料金
タクシードライバーやお客様にとって合理的に決められたタクシーの運賃システム。
いずれもタクシーに備え付けられたメーターは検査を受けたメーターです。定期的に検査は行われています。
重要事項なんです。
タクシーに据え付けられているメーターは検査機関による検査が定期的に行われ合格マークが必ず張り付けられています。
この検査を受けたメーターをドライバーは正確に操作しなければいけません。お客さまが、料金を値切るとかドライバーが基本以外に勝手にメーターを止めたりしたら違法行為とされ罰則が規定されています。
お客様もメーター操作などを強要したら同じように罰則が規定されています。今はほとんど遭遇しませんが、タクシー料金を「おまけしてよ」とか「とめろ」とか言われたら強要になりドライバー、お客様も罰則を受けます。
ドライバーが好意で行ったメーター操作も違法になります。ドライバー、お客様ともども注意が必要ですね。
身体障碍者手帳提示による割引は正当な操作で、認められている正規な操作となります。