白井容疑者、元とび職の勤務先で出会った岡﨑彩咲陽さん
神奈川県川崎市で発生した痛ましいストーカー殺人・死体遺棄事件は、社会に大きな衝撃を与えました。行方不明となっていた岡﨑彩咲陽さん(当時20歳)が、約4ヶ月後、元交際相手の白井秀征容疑者(27歳)の自宅から遺体で発見されたこの事件は、白井容疑者による執拗なストーカー行為やDVが背景にあると報じられています。

被害に遭われた岡﨑さんへの深い哀悼の意を表するとともに、この記事では、白井容疑者の過去、岡﨑さんとの出会い 場所、そして事件の大きな焦点となっているストーカー被害の実態と、悲劇を防げなかったとされる警察対応の問題点について、これまでの報道されている情報を基に詳しく解説してまいります。
白井秀征容疑者のプロフィール
項目
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白井秀征容疑者
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岡崎彩咲陽さん
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年齢
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27歳(1997年生まれ)
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20歳(事件当時)
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居住地
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神奈川県川崎市川崎区
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神奈川県川崎市川崎区
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職業/経歴
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元ラッパー(OGFメンバー)、とび職経験あり
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アルバイト
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SNSアカウント
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Facebook(OGF関連投稿あり)、Instagram(非公開または削除)
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利用の可能性あり、詳細不明
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事件関連
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死体遺棄容疑で逮捕、アメリカ逃亡の疑い
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2024年12月20日失踪、2025年4月30日遺体発見
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OGFとは…….川崎市を拠点とするヒップホップグループ「Only Grizzly Family(OGF)」

二人の「出会い 場所」と関係性の始まり
加害者とされる白井秀征容疑者がどのような人物であったのか、そして被害者の岡﨑彩咲陽さんとどのようにして出会ったのかを見ていきます。
元とび職・白井秀征容疑者の過去と勤務先
複数のメディア報道によると、白井秀征容疑者は過去に建設会社に勤務し、「とび職」として働いていた時期があったとされています。
しかし、彼の勤務態度は良好ではなかったようです。報道によれば、彼は勤めていた建設会社で無断欠勤を繰り返しており、これが原因で事実上の解雇という形で会社を辞めたと伝えられています。
退職後、事件発生当時は「無職」または「職業不詳」と報じられています。定職には就いていなかった可能性が高いようです。
白井容疑者と岡﨑さんを結びつけた接点
白井容疑者と岡﨑彩咲陽さんが出会った場所は、白井容疑者が当時勤務していた建設会社と深く関わっています。
二人の出会いは、岡﨑さんがアルバイトをしていた川崎市内の飲食店(バー)でした。その店に白井容疑者が勤めていた建設会社の社長が、彼を含む数名の従業員を連れて客として訪れたことがきっかけだったとされています。
具体的にどの建設会社だったのか、その名称は特定・公表されていませんが、川崎市内の建設工事会社であるとされています。岡﨑さんがアルバイトをしていた店も具体的な店名は公表されていませんが、岡﨑さんの家族(祖母ら)が経営するバーだったという情報があります。
このように、白井容疑者の勤務先である建設会社の社長が、従業員を連れて岡﨑さんのアルバイト先に客として訪れたことが、二人の関係が始まる決定的な出会い 場所となったのです。

交際から関係の悪化、そして別れへ
白井容疑者と岡﨑さんは、2023年春ごろから交際を始めたといわれています。しかし、交際期間中から白井容疑者によるDV(ドメスティック・バイオレンス)などで関係は悪化していったようです。
岡﨑さんの父親は、娘の顔が腫れているのを見てDVに気づき、白井容疑者を直接呼び出して二度と娘に会わないよう強く注意したこともあったといいます。
岡﨑さんは2023年9月には、白井容疑者からの暴行について一度、警察に被害届を提出しています。
その後被害者自身が被害届を取り下げてしまいました。
エスカレートした「ストーカー被害」の実態
別れを選択した後も、白井容疑者による岡﨑さんへの行動は収まることなく、恐ろしいストーカー被害へとエスカレートしていきました。
岡﨑彩咲陽さんは、2024年6月頃から白井容疑者によるストーカー被害に悩まされていたといわれています。

その行為は非常に執拗で、岡﨑さんやその家族は具体的な恐怖を訴えていました。
家族が目撃・証言する異常行動
岡﨑さんの弟さんは、姉が受けていたストーカー被害を自身の見聞きした経験を交えて具体的に証言しています。
弟さんの証言からは、以下のような常軌を逸した白井容疑者の行動が明らかになっています。
•夜中の徘徊: 夜中に岡﨑さんの家の周りをうろつく行為。
•変装しての徘徊: 目出し帽のようなものをかぶって顔が分からないように徘徊する行為。
•部屋の監視: 岡﨑さんの部屋のドアに耳を当てて、中にいるか確認する行為。
こうした執拗なストーカー被害を受け、岡﨑さんは自身の身に危険が迫っていることを強く感じていました。
弟さんは「姉は『怖い』と言って、何度も(祖母の)家に逃げてきていた」と語っており、岡﨑さんが白井容疑者を恐れて、度々家族の家に避難していた状況を明らかにしています。
弟さんは「ストーカーされて、外で捕まって、相手(白井容疑者)の家に連れて行かれそうになった。その隙を見て祖母の家に逃げてくる、ということを何回か繰り返していた」とも証言しており、彩咲陽さんが極めて危険な状況に置かれていたことが示唆されています。

岡﨑さんは、これらの恐怖から逃れるために、複数回にわたって警察に相談していたと報じられています。
失踪直前の約10日間(2024年12月9日から20日)には、警察に合計9回も電話連絡をしていた事実が後に判明しています。これは、彼女からの切迫したSOSだったのではないかと、家族は主張しています。
悲劇を防げなかった「警察対応」の問題点
岡﨑さんが警察に複数回相談していたにも関わらず、最悪の事態を防げなかったことから、事件における警察の対応に大きな疑問の声が上がっています。特に、遺族は警察の初動対応や判断に強い不信感を抱いています。
岡﨑さんからのSOSと警察の認識
最も焦点となっているのが、失踪直前に岡﨑さんが警察に合計9回も電話連絡をしていたにも関わらず、警察側がこれをストーカー被害の正式な相談として「認識していない」とした点です。
警察は電話連絡があったこと自体は認めているものの、その内容がストーカー被害の相談ではなかった可能性を示唆しているようです。

家族は「それは娘からのSOSだったに違いない」と述べ、警察が娘の訴えていた危険信号を真剣に受け止めなかったのではないかという強い疑念を抱いています。
神奈川県警は、ストーカー被害の相談について「受けていた認識はない」との見解を示していますが、遺族は警察の説明に納得できておらず、「真実を話してほしい」と訴えています。
失踪後の初動捜査への疑問
岡﨑さんが行方不明になった後の警察の初動捜査にも疑問点が指摘されています。父親の岡崎鉄也さんは、娘の安否を案じ、当初から白井容疑者の関与や誘拐の可能性を強く訴え、本格的な捜査を求めていました。
しかし、警察側からは「事件性があるとは認められない」という対応を受けたと主張しています。
特に、岡﨑さんが避難先としていた祖母宅の窓ガラスが割られ、鍵が開けられていた状況を家族が発見し、警察に通報した際の対応が問題視されています。
弟さんの証言によると、現場に来た警察官は「事件性がない」と判断し、指紋採取などの詳しい現場検証を行わずに帰ってしまったとされています。
家族や支援者である元刑事の飛松五男氏によると、警察官が家族に対し、「ガラスは内側から割ったもので、捜査させるために“偽装工作”をしたのだろう」という趣旨の発言をしたとされています。
家族が自ら自宅のガラスを割るという行動は考えにくく、警察の対応には不可解な点が残ります。
また、飛松氏の証言によれば、岡﨑さんは失踪4日後の2024年12月24日には「特異行方不明者」として扱われていたと警察の担当者から伝えられたといいます。
特異行方不明者とは、犯罪に巻き込まれた可能性が高いと判断される場合などに指定されるものですが、もし指定されていたのであれば、なぜ現場レベルの警察対応が消極的に見えたのか、内部での情報共有や指示系統に問題があった可能性も指摘されています。
任意聴取の限界と捜査の遅れ
岡﨑さんの行方不明後、白井容疑者は警察から7回にわたり任意で事情聴取を受けていたことが明らかになっています。しかし、その間も白井容疑者は「知らない」などと説明し、関与を否定していました。
警察は任意聴取を繰り返す一方で、なぜ早い段階で強制捜査(逮捕や家宅捜索など)に踏み切れなかったのか、という点も議論となっています。
遺族は、警察の捜査の遅れが最悪の結果を招いたと考えています。逮捕という捜査の端緒の段階での報道のあり方については、警察発表への依存が問題視されることもあります。
遺族が表明する警察への不信感と怒り
娘を失った岡﨑さんの父親、岡崎鉄也さんは、事件発覚後、警察の対応に強い不信感と激しい怒りを表明しています。
遺体と対面した後、「捜査の方法が間違っていたから娘は死んだと思っています。だから、絶対に(警察を)許さない」と、報道陣の前で警察の対応を厳しく批判しました。
警察が家族に対して行っている説明と、家族が把握している事実との間に食い違いがあるとし、「真実を話してほしい」と訴え、警察側に対して正式な説明の場を設けるよう強く要求しています。

失踪直前の9回の電話連絡の内容や、窓ガラス破損時の警察の認識について、特に納得がいかない点が多々あると主張しています。
事件の発覚、その後の状況と社会への課題
長い行方不明期間を経て、最悪の形で事件は発覚しました。その後の状況と、この事件が浮き彫りにした社会的な課題について見ていきます。
遺体発見と白井容疑者の逮捕
2025年4月末、白井容疑者の自宅アパートから岡﨑彩咲陽さんの遺体が発見されました。遺体は損傷が激しく、死因の特定が難航する可能性も指摘されています。
遺体発見後、白井容疑者は海外へ出国していたとみられていましたが、帰国後、死体遺棄容疑で逮捕されました。
今後は殺人容疑での立件も視野に入れ、捜査が進められるものとみられています。彼の犯行動機や詳しい事件の経緯については、今後の捜査で明らかになることが待たれます。
遺族の真相究明への訴えと支援
事件が発覚し、娘の死という現実を突きつけられた岡﨑さんのご家族は、深い悲しみの中で、警察への強い不信感を抱きながらも、真相究明を強く求めています。父親の岡崎鉄也さんは、警察に対して説明責任を果たすよう、公の場で声を上げ続けています。
また、この事件に関しては、元兵庫県警の刑事で、現在は調査活動などを行っている飛松五男氏が、被害者家族の支援を表明しています。

飛松氏は警察の初動対応や判断を厳しく批判し、遺族と共に真相解明を求めて活動しています。
一方でネット上では、悲しみの中にいるご遺族に対し、「家族がやばい」「親が怖い」「反社ではないか」といった、根拠のない心ない噂や憶測が一部で見受けられています。
これらの噂は、事件自体の衝撃性や、遺族の警察に対する強い抗議行動、複雑な事件経緯への誤解など、複数の要因が複合的に絡み合って生じた可能性が高いと考えられます。
このようなネット上の誹謗中傷は、遺族にとって事件によるダメージに加えて、さらなる二次的な被害となり、配慮ある態度が求められています。
警察対応検証の行方と今後の課題
神奈川県警は、今後の捜査で署の対応が適切だったか解明し、確認したいとしています。この事件を教訓として、警察の対応について徹底的な検証が行われるのか、そしてその結果がどのように公表されるのかが注目されています。
特に、以下の点について明確な説明と検証が求められています。
•失踪直前の9回の電話相談にどのように対応したのか、その詳細な内容。
•窓ガラス破損時の「事件性なし」と判断した具体的な根拠と判断プロセス。
•「偽装工作」発言の有無とその真意。
•特異行方不明者としての扱いはあったのか、もしそうであれば現場対応との整合性は。
•なぜ任意聴取に留まり、強制捜査まで時間を要したのか。
また、犯罪報道のあり方にも課題が見られます。
捜査情報への安易な依存や、逮捕という端緒の段階での断定的な報道、実名報道の是非などについて、議論や見直しが求められています。
この事件は、ストーカー対策における警察の相談体制や危険度判断の難しさ、関係機関との連携の重要性、そして被害者保護の具体策など、多くの課題を浮き彫りにしました。
再発防止に向けて、制度面・運用面での改善が急務であるとともに、私たち一人ひとりがストーカー被害の深刻さを理解し、社会全体で被害者を支える意識を持つことが重要です。
まとめ:痛ましい事件から学ぶべきこと
白井秀征容疑者による岡﨑彩咲陽さんへのストーカー殺人・死体遺棄事件は、多くの痛ましい事実と社会的な課題を私たちに突きつけました。
元とび職であった白井容疑者と岡﨑さんの出会い 場所は、彼の過去の勤務先に関連する場であり、その後の悲劇の始まりとなりました。
別れの後、白井容疑者による執拗で異常なストーカー被害はエスカレートし、岡﨑さんは警察に助けを求めていましたが、悲劇を防ぐことはできませんでした。
岡﨑さんからのSOSともとれる複数回の電話連絡や、行方不明後の不審な状況に対する警察の初期対応には多くの疑問点が指摘されており、遺族は警察への強い不信感を表明しています。
警察対応に関する詳細な検証と、その結果に基づく説明責任が強く求められています。
この事件を単なる個別の凶悪事件として終わらせることなく、ストーカー被害の潜在的な危険性を社会全体で再認識し、被害者が安心して相談でき、迅速かつ適切な対応がなされる体制を構築することが急務です。
また、悲しみの中にいるご遺族に対する根拠のない誹謗中傷は厳に慎むべきであり、被害者とその家族がこれ以上の苦痛を味わうことがないよう、社会全体で支えていく必要があります。
岡﨑彩咲陽さんのご冥福を心よりお祈り申し上げます。そして、この痛ましい事件から得られる教訓を生かし、二度と同様の悲劇が繰り返されない社会となるよう、私たち一人ひとりが真剣に考えていく必要があるでしょう。